脳ドックについて

更新日: 2011年11月29日

脳ドックとは

いわゆる人間ドックをはじめとする健康診断の中で、「脳」に焦点を絞ったものを脳ドックとよびます。脳及び脳血管の検査はCT、脳血管撮影でもできますが、現在、脳ドック検査の主流は、磁気共鳴装置(MR装置)を用いた磁気共鳴映像(MRI)、磁気共鳴血管撮影(MRA)検査です。

CT検査では、MRIと同等の情報を得るためには造影剤を使用する必要があり、僅かではありますが、造影剤による副作用の危険を伴うこと。脳血管撮影では、MRAより情報は正確ですが、侵襲的な検査であり、共に放射線被曝を伴うのに比べ、MRI、MRAは非侵襲的で1台のMRを使用して連続して検査ができる利点があります。

また、やはり非侵襲的な検査である超音波を用いての頚部頚動脈エコーにより最近増加しつつある、頚部での頚動脈アテローム変性の有無をチェックできます。当センターでは、高磁場MRと頚部頚動脈エコーを用いて、「簡易脳ドック」を行っております。

健康診断は基本的に保険適用外ですので、自費となり、「脳ドック」も例外ではありませんが、「簡易脳ドック」では、他の健康診断で行う血液検査、尿検査、心電図検査等との重複を避け、検査料金を抑えております。

脳ドックで分かること

  • 無症候性未破裂動脈瘤
    脳動脈瘤は破裂して、くも膜下出血を発症します。例外的に破裂前に神経を圧迫して一側眼瞼下垂等を発症することはありますが、破裂しない限り動脈瘤の存在自体で症状を出すことはありません。
    MRAによって検索できます。
  • 無症候性脳梗塞
    全ての脳梗塞が症状を伴うとは限りません。加齢による脳動脈硬化により、生理的に出現する小梗塞は原則無症状であり、問題とはなりません。しかし、年齢に比べ、脳梗塞が多発していたり、症状が出現し難い部位の比較的大きな梗塞は、将来症状が発現する可能性があります。MRIで検索しますが、その原因となり得る脳主幹動脈狭窄性病変もMRAで調べます。
  • 無症候性脳腫瘍
    全ての脳腫瘍は、ある程度進行してはじめて症状が出ます。特に良性の腫瘍はかなりの大きさになるまで時間がかかりますので、腫瘍が存在しても無症状の期間は長期間にわたります。MRIで検索します。
  • 無症候性主幹動脈狭窄・閉塞
    脳の主幹動脈は、お互いにバイパスがありますが、その程度には個人差があります。もし、1本の主幹動脈に閉塞や高度の狭窄があってもバイパスを通じての血流確保がある程度あれば、症状は出ません。しかし、このような場合でも全身血圧の低下や狭窄の進行により梗塞が発症する危険があります。MRAで検索しますが、頚部の頚動脈はMRAと共に頚動脈エコーにより2重のチェックを行います。
  • その他
    脳動静脈奇形、モヤモヤ病、水頭症、慢性硬膜下血腫等は、ほとんどが有症状ですが、稀に無症状で経過することがあります。

脳ドックで分からないこと

  • 主幹動脈の異常に基づかない脳卒中の予想
    高血圧性脳出血や脳血栓は脳動脈硬化による細動脈の変性が基礎となり、血圧上昇時の出血や、血栓形成をおこすものです。動脈硬化の原因は、高血圧、糖尿病、高脂血症等の生活習慣病であり、これらの疾病のチェックとコントロールが大事です。
    また、脳塞栓の多くは、心房細動や弁膜症等 の心臓疾患に伴う、心内血栓が脳へ飛ぶことによって起こります。その他、多血症による血栓形成や、血液疾患による脳出血もあります。これらの疾患は、脳自体の検査で判るものではありません。血液検査や心電図検査で調べる疾患ですが、その合併症として「脳卒中」があることに留意する必要があります。
  • 小さい動脈瘤
    MRAでは、3mm以上の大きさの動脈瘤なら、60~90%診断できます。従って、それ以下の大きさでは、判定できない場合もあります。
  • 小さい脳腫瘍
    脳腫瘍には、腫瘍自体が写るものと、写らないものがあります。CTに比べMRIでは写る場合が多いのですが、それでも写らない場合があります。ある程度大きくなると、腫瘍自体が写らなくとも、異常所見として脳の正常構造の歪み、腫瘍周囲の浮腫が現れますが、小さいものではそのような二次的な異常所見も現れませんので、判定できない場合があります。

検査項目

  • 頭部MRI
  • 頭蓋内MRA
  • 頸部MRA
  • 頚部超音波検査

脳ドック

注意点

脳ドックで使用するMRIは非常に強力な磁場を発生します。ペースメーカーを植え込みされている方は、受けることができません。また、金属製義歯等の金属製品を頭部に装着されている場合、磁場に歪みが生じ、きれいに撮影できない場合があります。

申込み方法(予約)

受診を希望される方は、ご来院の際、直接、当院の放射線科窓口にお申し込みいただくか、電話(0735-31-3333)又は FAX(0735-31-3335)で、放射線科宛てお申し込みください。

なお、受付時間は、土、日、祝祭日、年末年始(12月29日から1月3日)を除く午前8時30分から午後5時15分までです。
※定員等の関係で、予約をお受けできない場合があります。悪しからずご了承ください。

料金(保険適用外)

【41,000円+消費税】です。撮影画像が必要な場合は、別料金が必要です。個人で画像を保管されたい方、セカンドオピニオンのため、他院でのご相談も希望される方は、お申込みください。

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