内視鏡下椎間板ヘルニア切除術

内視鏡下椎間板ヘルニア切除術突然、腰から足へかけての激しい痛みに襲われ、動くこともままならない状態に陥ることがあります。これはいわゆる坐骨神経痛と表現される痛みで、腰に発生した椎間板ヘルニアに特徴的な症状です。

椎間板とは脊椎(せぼねの医学用語)を構成する一単位で、一般の人には背骨の軟骨として広く知られています。くねくねと曲がるじゃばらを想像して頂くと容易なのですが、脊椎は椎骨(ついこつ)という骨と椎間板が交互に連続するような形で存在しています。

もし、脊椎が一本の骨だけで構成されていたら、人間は自由に腰を曲げたり伸ばしたりはでません。脊椎は先に述べたじゃばらのような構造なので人間の意志に応じて色々な姿勢を作ることができるのです。

骨は非常に固い組織ですから、自らの形を変えることはできません。実際に色々な動きを作っているのは椎間板です。椎間板は車のタイヤの構造によく似ていて、ゴムに相当する非常に弾力性に富む強靱な線維組織、線維輪(せんいりん)と衝撃を吸収するクッションの役割を果たす空気に相当する髄核(ずいかく)の2つの構造体から形成されています。線維輪が髄核を覆うように存在する二重構造を呈することから、車のタイヤのように外力に応じて自由に自らの形を変えることが可能で、力が作用しなくなると元の形に戻ります。この非常に柔軟でかつ復元力に富んだ椎間板という組織が伸び縮みすることで脊椎は形を自由に変えることができます。

車のタイヤも長年使用して古くなると、ゴムの弾性力が失われてひびが入ってきて、やがてはどこかに裂け目が生じてパンクをしてしまいます。人間の椎間板も早い人では20歳を過ぎるとこのような状態に陥り、突然つぶれてしまうことがあります。このときに生じる痛みがいわゆるぎっくり腰と表現される激しい痛みの原因の一つになります。また、椎間板がつぶれる際に中のクッションの割合を果たす髄核という組織が飛び出してきて神経にぶち当たると坐骨神経痛が発生します。これが椎間板ヘルニアの本態です。

非常に強い痛みでつらい椎間板ヘルニアですが、基本的にこの病気は良性で自然に治ることも多い病気だということが最近の研究でわかってきました。コルセットを装着して家で動き回らずにじっと横になっていると約1~2カ月で完治します。以前はよく手術をされていましたが、最近では手術の絶対的適応は腰から下の神経の麻痺症状が出現してきて、歩くときに足が上がらなくなって転びそうになったり、小便を出しにくくなったりした場合に限定されています。

しかしながら、1カ月以上も痛みに耐え続けるというのもなかなかできるものではありません。ろくに睡眠もとれずに衰弱しきってしまう人もいます。また、現在の病気では病気のために長い間、仕事を離れることが可能な職場はかなり少なくなっています。不況のため、病気を理由に首を切られるという、以前の古き良き日本では考えられなかったことが実際問題として起こってきています。

医学的には手術を要することがそれ程は多くない椎間板ヘルニアですが、早く病気を治したい、そして、早く職場に復帰したいといった社会的な理由で手術を選択せざるを得ないケースが多いのもこの病気の特徴とも言えます。

さて、このような、つらい椎間板ヘルニアに苦しむ患者さんに朗報があります。今回紹介させて頂く脊椎内視鏡は1997年にアメリカで開発された、まだ日本ではあまり広く知られていない新しい治療方法です。どのような治療方法かと申しますと、直径16㎜の内視鏡を腰背部の皮膚から挿入し、脊椎に到達します。内視鏡を通して映し出される画像をテレビモニターで見ながら、特殊な手術器械を用いて直径16㎜という限られたスペースの中で作業を行います。

このように親指の先程度のごく限られた狭いスペースでも手技に習熟すれば、大事な神経を傷つけずにヘルニアを摘出することが可能となります。手術は平均約1時間程度で済み、出血もほとんどしないため輸血を必要とすることはほとんどありません。皮膚や筋肉のダメージが最小限で済むため、傷の痛みが少なく早期に社会復帰ができます。入院期間も数日から1週間程度で済みます。手術には全身麻酔を必要とするため、誰でもというわけにはいきませんが、お元気な方だと日帰り手術も可能です。

当センターでは移転を機会に、脊椎内視鏡の導入を日本の主だった病院に先駆けて決定し、昨年度より患者さんの治療に用いさせて頂いています。手術をして4時間位すると自由に動くことができて術後の安静を強いられない、傷の痛みが少ない、傷口が目立たない、早く退院できる等が患者さんに喜んで頂いている点です。

もし、近くのお医者さんで椎間板ヘルニアの診断をなされて治療をされている患者さんでこの手術に興味を持たれた方はお気軽にご相談にお越しください。電話による相談は、他の患者さんの診療の妨げとなりますので、一切応じさせていただいておりません。また、かかりつけ医の紹介状をお持ちいただきますとスムーズな診療が可能となりますのでご協力をお願いいたします。

詳細 整形外科
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