麻酔科

更新日: 2023年5月 2日

診療科の特色

手術時の全身管理を行います。術式や患者さんの体の状態に応じて「全身麻酔」「脊椎麻酔」「硬膜外麻酔」「末梢神経ブロック」を、単独または組み合わせて行います。麻酔中はただ単に意識や痛みをとるだけでなく、呼吸や循環、血糖値、電解質、体温、尿量などの適正化を術前疾患をふまえて行います。高齢化社会に伴い動脈硬化性疾患を持つ方が手術を受ける機会が増えています。術中の脳梗塞や心筋梗塞の予防に留意した全身管理を心がけています。また手術中の大量出血、危険な不整脈、狭心症発作など不測の事態にも迅速に対応し、後遺症が残らないよう全身状態の改善を図ります。

術後の疼痛管理も非常に重要です。適切な疼痛管理を行うことで早期離床が可能になり、術後肺炎、深部静脈血栓症、術後せん妄などの予防につながります。当科では術式に応じて「硬膜外麻酔」「鎮痛薬の持続静注」「末梢神経ブロック」を行っています。また患者さんが自分で疼痛管理できるPCAシステムを採用しており、痛みを感じたらナースコールを押すことなく自分で鎮痛薬を追加投与することが可能です。(「硬膜外麻酔」「静注」「末梢神経ブロック」)

麻酔科

診療内容・実績

◆麻酔科外来(術前診察)

手術予定の患者さんの診察を手術前日までに行います。患者さん本人とご家族に受診していただきます。問診や診察で全身状態を把握し、麻酔 計画を立てます。可能な限り患者さん自身の希望に沿った麻酔方法を選択します。麻酔の方法や合併症のリスク、術後の鎮痛方法などを説明し、できるだけ安心して手術を受けられるよう努めています。平均50名/月の予定手術の術前診察を行っています。

◆麻酔の種類

全身麻酔:

静脈麻酔薬または麻酔ガスを用いて意識をとります。ほとんどの場合、気管内挿管などの気道確保と人工呼吸を行います。手術終了後、10分ほどで覚醒させ自発呼吸にもどしてから抜管し、帰室します。新しい麻酔薬、鎮痛薬、筋弛緩薬の開発でより安全に麻酔が行え、術後は速やかな覚醒が得られるようになりました。

脊椎麻酔:

脊髄くも膜下腔に局所麻酔薬を注入し、薬が広がった範囲の痛覚ブロックと筋弛緩が得られます。神経毒性の少ない長時間作用性の局麻薬の登場で、脊椎麻酔でも2、3時間程度の手術が可能になっています。手術終了後、麻酔効果がすっかり消失するまでおよそ半日程かかります。

硬膜外麻酔:

硬膜外腔にカテーテルを挿入し局所麻酔薬をボーラスまたは持続注入することで、ある特定範囲の神経根ブロックを行います。麻酔薬の濃度を濃くすれば筋弛緩も得られますが、術後鎮痛に用いるときは感覚神経のみ遮断し運動神経は遮断しない薄めの濃度を用います。硬膜外鎮痛を行うことで腹部の手術後でも翌日から離床しやすくなります。

末梢神経ブロック:

超音波ガイド下に針を進め、局所麻酔薬を末梢神経の側に注入します。長時間作用性の局所麻酔薬を使用すれば8時間程度のブロックが可能です。超音波で直接、神経、血管、周辺構造を確認しながら行うことでより安全・確実に神経ブロックが行えるようになりました。
強い術後痛を伴う膝人工関節置換術では、持続大腿神経ブロックを行っています。

診療スタッフ

森下 健康 部長

 

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