脳神経内科

更新日: 2023年5月11日

診療科の特色

脳神経内科はヒトの脳・脊髄・末梢神経・筋肉に生じる色々な疾患の診断と治療を行う内科の専門分野です。脳神経内科を受診される患者さんの主な症状としては、「頭痛、めまい、手足のしびれ、痛み、感覚が鈍い、手足に力がはいらない、もの忘れ、意識がなくなる、手足のふるえ、手足がひきつる、歩行時にふらつく、足が前にでにくい、ものがだぶって見える、見える範囲が狭い、言葉がもつれる、食べ物を飲み込みにくい」などです。

脳神経内科の最大の特徴は、患者さんの病歴を丹念に訊ね、神経学的診察を行うことにより、診断を行います。必要に応じてMRIやCT、SPECTなどの画像検査や、神経伝導検査、針筋電図、脳波などの神経生理学的検査を行います。場合によっては、大学病院と連携して神経生検や筋生検といった病理検査や遺伝子検査を行うことも可能です。一方で、これらの特別な検査を行わなくても診断可能な疾患が多く、不必要な検査を少なくするとで患者さんのご負担を減らし、最も適切と考えられる方針を提示させていただいております。診断の結果、脳神経外科、整形外科、循環器科などの専門科に治療を依頼する場合も少なくありません。

新患外来では、患者さんが非常に多く、長い待ち時間を減らすため、地域医療連携室を通した完全予約制にさせていただいております。また、新患外来予約がスムーズに取れますように、診断・治療方針が定まった患者さんにつきましては、再びかかりつけ医に逆紹介することを基本方針とさせていただいております。また当科では、難病でお困りの患者さんやご家族に対して、地域医療連携室と協力して、介護福祉サービスの相談や紹介、社会福祉制度の活用など在宅支援を図っております。

一方で、脳梗塞をはじめとした緊急性の高い疾患に関しましては、脳神経外科の医師と協力し、365日24時間体制で受け入れを行なっております。入院病棟は、脳神経外科と同じく5階西病棟(50床)にてStroke Care Unitに準じた病床体制を整えております。発症3時間以内の脳梗塞の患者さんに対して、rt-PA療法を行うことも可能です。昨年の入院患者は197名で、その内訳は[ 図1 ]の通りでした。できるだけスムーズな入院患者さんの受け入れができるよう、地域医療連携室と協力し、在宅療養への移行や転院施設の紹介を行なっております。

脳神経内科

脳神経内科

高齢化社会最大の課題である認知症に対して、当科では、平成22年よりもの忘れ外来を開設しております。昨年の患者さんの内訳を[ 図2 ]に示します。認知症の診断と同時に、身体合併症のスクリーニングを行い、多様な合併症を発見して、患者さんおよびご家族の負担を軽減できるよう努力しております。残念ながら現時点では、限られた病床数の問題もあり、在宅療養が困難になった認知症患者の入院受け入れは実施できておりません。そのような場合でも、地域医療連携室を介して病院、施設紹介をさせていただいております。
また、教育病院として研修医や学生の教育活動にも力を入れております。優れた臨床医、脳神経内科医の育成を目標としながら、研修医や医員とのチーム体制で診療を行っております。

※初診は、地域医療連携室を介した「紹介予約制」です。

診療内容・実績

ポイント 脳神経内科一般外来: 月 ・ 水 ・ 木 ・ 金  外来患者数: 約470名 / 月
ポイント もの忘れ外来: 月・火

受診方法:

完全予約制になっており紹介状が必要になります。
さらに地域医療連携室を介した予約制となります。
なお緊急時は、その限りではございません。救急外来にご一報いただければ幸いです。

主な対象疾患

脳血管障害 脳梗塞、脳出血
神経変性疾患 アルツハイマー病、パーキンソン病、本態性振戦、脊髄小脳変性症、多系統萎縮症、筋萎縮性側索硬化症など
神経感染症 脳炎、髄膜炎、破傷風、プリオン病など
発作性疾患 てんかん、片頭痛、緊張型頭痛など
脱髄性疾患 多発性硬化症、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
代謝性神経疾患 Wilson病、ビタミン欠乏症(脚気、Wernicke脳症、アルコール性小脳変性症)など
中毒性神経疾患 水銀中毒、一酸化炭素中毒、スモンなど
脊髄疾患 脊髄炎、脊髄空洞症、脊髄血管障害、HAMなど
末梢神経疾患 ギラン・バレー症候群、CIDP、糖尿病性ニューロパチー、顔面神経麻痺、手根管症候群など
筋肉疾患 重症筋無力症、多発筋炎・皮膚筋炎、周期性四肢麻痺、ミオパチー、筋ジストロフィーなど
その他 眼瞼けいれん、顔面けいれん、痙性斜頚、一般内科疾患に伴う神経合併症

診療スタッフ

石口 宏 副院長・部長
丹羽 麻也子 医長
南野 麻衣 医長

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